マウイ島行方不明者の数が減らず、人への被害状況が未だに良く分からないハワイ マウイ島の火災、電力送電網からの火花が原因ではないかという事で、電力会社を非難する報道が一部で出ていることを見て。
確かに送電線から火花が出ることは有る。だからと言って電力遮断すべきという議論は、現代社会にほんとうに受け容れられるのだろうか?
この災害級の猛暑の中でエアコンが止められてしまっては、体力弱者は守れない。医療機関は元より生鮮品など冷凍冷蔵施設が必須の事業者や個人など、負の影響は計り知れない。
日本の電力の他国との違いはその停電時間の短さにある。この7月末からの台風被害で停電のニュースがよく流れているが、台風の規模などの報道を見ると復旧は早く、それにより人々の生活を守ってくれていると感じる。
しかし、この停電復旧をはじめ安定供給には将来不安を感じている。電力自由化の進展によって送電配電網を一番守るべき立場にいる電力9社の経営基礎体力が弱ってきていることから、災害対策が昔の様に出来ているのだろうかということがあるためだ。
冒頭の電力送配電網からの火花の話も、設備劣化が進んでいるとそのリスクはある。この価格高騰化にあって、過去最高益を出した電力会社に対しては思うところがある方も多いのは間違いない。でも有利子負債の多さほか、設備投資等の更新が遅れてきているのではないかと感じることは多々ある。
新電力の価格高騰や倒産も一段落している模様であるが、ライフラインは価格だけで社会生活を守れないのではないかという事、この火災からも考えてみたい。
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