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原因不明火災と電気製品

執筆者の写真: 株式会社エービーコンサルティング 鈴木健彦株式会社エービーコンサルティング 鈴木健彦

最近、痛ましい火災報道が多いように感じます。


一気に寒くなり、暖房器具の活躍する時期になると、火災も多くなるようです。


東北電力に勤務していた当時、地域の消防本部と連携して「電気の安全」などの勉強会を市民の方向けにさせていただいていた事もありました。

その当時の記憶として、1割程度の原因不明火災があり、それらは特定できないものの、ほぼ「電気」が絡んでいるというモノがあります。


電力ではなく、「老朽化電」や「宅内配線設備の老朽化」、正しくない使用方法の3つです。


古い扇風機、ファンヒーターなど、モーターを利用する機器の回転音の不調は、劣化の証拠であり、そのような製品はたいていどこか変に熱を持っています。電気が流れることで、新しい時は問題ないのですが、古くなってくると電線の被覆も劣化してきて熱があると炭化してきます。これが何かの拍子でできた火花などで着火して火災になります。



宅内配線設備の老朽化での火災一歩手前は、以前住んでいた賃貸マンションで経験しました。

当時で築40年、古いけど管理人さん夫婦が親切で、その方々の喫茶が美味しくて、街中で居心地は良かったのですが、ある初冬の晩、寝室に寝ようと入ったら何やら木の焦げ臭いにおいが。

ベットマットをひっくり返してみても、火の出るものなど何もないけど、においが強い。もしかしてと、コンセントを触ったら熱い。コンセントカバーを外してみたら、電源配線ケーブルが黒く炭化していました。小ブレーカーを切ってこのコンセントに通電しないようにして、翌日直ぐにオーナーさんに連絡して改修してもらいました。


電気は便利で正しく使っていれば安全です。

でも、特にご高齢の方、モノを大切にお使いになるのはいいのですが、老朽化電は自分たちの命を奪いかねないものです。


築年数が相当経過している家庭でも、上記の様な電気火災リスクがあります。この住宅火災のリスクを下げるには、一つのコンセントや、小ブレーカーの回路に過度な負荷を掛けないようにすることが大事です。


電気は目に見えず、水道のホースの様に流し過ぎて外れることなく、ブレーカーで一定時間を経過しないと切れません。そのため、電気コードが熱をもって劣化をしてしまうのです。


このほか、洗濯機や冷蔵庫など、さしっぱなしの電気プラグにほこりがたまって、そのほこりが湿気を帯びてショートして、火災になる事例もあります。これは半年に1回でもプラグ掃除を行えば防げます。


ポットのマグネット式のコード着脱で電源オンオフをする方もいますが、これはマグネット付近に電気が流れてきているので、マグネットプラグ部分に水をこぼしてそのままでいると、やはりショートして火花が出て火災の原因になります。


添付の昨年度の火災原因の報告書を見ても、一定の電気火災や原因不明数が記載されていました。


火災があれば、事故物件として告知義務が不動産取引の際に生じます。不動産価値も当然のように下落します。


年末年始、電気火災を防ぐための掃除と点検も進めていくと良いのかなと思います。



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